冨田臥龍2022年11月27日7 分書評 中上健次 『異族』書評 中上健次『異族』 冨田 臥龍 イントロデュース 読者のみなさんの中には、この中上健次『異族』を知っている人は、わりと多くないと思います。あまり知らない、という人も、多いでしょう。 『異族』は、中上健次さんの最後期の作品の一つ(最後期といっても46歳までで、他にも『軽蔑...
冨田臥龍2022年11月9日7 分書評 中上健次 『枯木灘』書評 中上健次『枯木灘』 冨田 臥龍 イントロデュース 読者のみなさん、中上健次という作家を、知っていますか? 中上健次は、団塊の世代を代表する作家で、中上さんより3歳若いのが村上春樹さん、6歳若いのが村上龍さんです。戦後生まれ初の芥川賞作家で、『岬』という作品で芥川賞を受...
松山尚紀2022年10月30日7 分評論 中上健次 『千年の愉楽』所収「六道の辻」評論 中上健次 『千年の愉楽』所収「六道の辻」 松山 尚紀 イントロデュース 読者のみなさんは細く長く生きながらえて、なにもなく死ぬよりも、太く短く華々しく死にたいと思ったことはありますか? 主人公の三好の生はまさしくそういったものでした。あだ花のように咲いて散る彼には、罪...
松山尚紀2022年10月24日7 分評論 中上健次 『路上のジャズ』所収「灰色のコカコーラ」評論 中上健次 『路上のジャズ』所収「灰色のコカコーラ」 松山 尚紀 イントロデュース 読者のみなさんのなかには、地方から都会に移住してきた経験がある方も、そうでない方もいると思いますが、地方で暮らしていた人間にとって都会というには恐ろしい化け物みたいな存在だと私は感じます...
松山尚紀2022年10月23日6 分評論 中上健次 『十九歳の地図』所収「補陀落」評論 中上健次 『十九歳の地図』所収「補陀落」 松山 尚紀 イントロデュース 読者のみなさんは家族の葬式に立ち会ったことはありますか? あるいは、精神的に家族と離別したと感じたことはありますか? 家族の気持ちや内面を熟考したことはありますか?...
松山尚紀2022年10月22日7 分評論 中上健次 『十八歳、海へ』所収「海へ」評論 中上健次 『十八歳、海へ』所収「海へ」 松山 尚紀 イントロデュース あなたは言い知れないほどの絶対的な孤独というものを、味わったことがありますか? 眠れない夜を一人で過ごしたことがありますか? 中上健次氏の作品の登場人物は、ほとんどみんな「悲劇の王」そのものでした。...